歯科口腔外科の立て直し

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歯科口腔外科の立て直し

院内で埋めるのではなく、外へ出す / 2026年8月28日 / 運営支援:株式会社AURORA

1いまの姿

歯科口腔外科は、よその病院が持っていない持ち物です。 口腔外科を持つ病院は多くありません。施設や療養の病院からの口腔ケアの需要は、断られ続けているほど大きい。 それなのに当院では、この部門がいちばん静かなところになっています。

いま、この部門は月ごとに少し足が出ています。 外来の患者さんは増えているのに、収益が伸びない。 原因は働きぶりではなく、働ける形になっていないことです。

ここでは、その詰まりがどこにあるかを三つに分け、 すぐ動かせるものと判断をいただかないと動かないものを分けてお示しします。

保険診療の収益
月およそ250万円

ここ数年、この水準で横ばいです。

部門としての採算
月およそ −8万円

大きな穴ではありません。あと一歩が足りない状態です。

医師の常勤換算
0.7/ 1.0

入院を算定するには 1.0 が必要とされています。

口腔外科の外来患者
+261人

口腔ケアに力を入れてこられた成果です。人は来ています。

2三つの詰まり

どれか一つを直しても動きません。順番があります。

① 制度の詰まり ― 入院が取れない

いまの勤務日数では常勤の要件に届かず、歯科として入院を算定できません。 そのため、口腔外科の患者さんに入院が必要なときは、医科の地域包括ケア病棟でお預かりしています。

これが効いてくるのは外ではなく、営業の順番です。 近隣の歯科診療所に「送ってください」と言いに行っても、入院でお預かりできないなら、 先方は送りようがありません。入院が取れるまで、歯科診療所への営業はできません。

② 人の詰まり ― 専門が片側に寄っている

いまの体制は、腫瘍を専門とする口腔外科です。 がんの手術後の患者さんや、小さな切除は院内で診られますが、大きな手術は外へお送りしています。

一方で、多くの病院の歯科が収益の柱にしているインプラントなどの一般歯科は、行っていません。 収益の柱が、構造として片側にありません。 また、次の体制をどうするかを、そろそろ考えておく時期にあります。

③ 数字の詰まり ― 働きが歯科に残らない

①の結果として、口腔外科の入院は 医科の地域包括ケア病棟でお預かりし、入院料も医科で算定 しています。 患者さんにとっては、これで不都合はありません。

ただ、そこで生まれた収益は医科側に計上されます。 歯科の帳票に残るのは外来の分だけで、部門としての働きが、数字の上では実際より小さく見えます。 レセプトの数字を月ごとに出して、まずこれを見えるようにします。

そして、いちばん効いているもの

三つは、一本につながっています。 入院が取れない → 手術と入院で伸ばせない → 外来だけで見た数字が伸びない。 働きぶりの問題ではなく、形の問題です。

立て直しの入口は、収益より先に動ける場所をつくることです。 まず、外に出る仕事をつくります。院内の枠に手を入れなくても、今週から動かせます。

3二段構えにします

院内で埋めきろうとすると詰まります。院内と外の二本立てにします。

一段目:院内 ― 口腔外科の手術を、できるだけこちらで

いま外へお送りしている手術のうち、当院でできるものを院内で行えないかを、 まず先生に直接おうかがいします。

紹介はこちらで取ってきます。院内で手術ができ、1泊2泊でもお預かりできれば、 外来だけの部門ではなくなります。

これができない場合、入院はいったん諦めます。 諦めたうえで、二段目に力を集めます。

二段目:外 ― 火曜午後を、訪問口腔ケアに開ける

火曜の午後は、レントゲンの撮影ができないために新しい患者さんを入れにくく、 結果として空いています。この枠を、外に出る時間に充てます。

行き先は、施設と療養の病院です。受け先はこちらで取ってきます。 「口腔外科の医師が口腔ケアに伺います」と言えば、断られることはまずありません。 いまは行き先がないだけで、行けない理由はありません。

詳しくは 地域連携の営業 の訪問先と対になります。

順番が大事です。先に器具を買うのではなく、先に受け先を集めます。 火曜午後が埋まる見込みが立ってから、器具を揃えます。 逆にすると、道具だけが残ります。

4訪問口腔ケアの採算 ― どこから見合うか

訪問には、持ち出しの器具一式と、歯科衛生士の同行が要ります。 移動もあります。費用は先に出て、収益は後から来ます。 だからこそ、どこから見合うのかを先に決めておきます。

判断の線
火曜午後が、毎月ずっと埋まるか

月に2回では、器具の費用が回収できません。 毎週火曜の午後が継続して埋まる見込みが立つなら、器具を揃える価値があります。 埋まらないなら、この道は選ばず、別の打ち手に切り替えます。曖昧なまま少しずつ出すのが、いちばん損をします。

先に要るもの

持ち出し用の器具一式。訪問用にまとめたセットです。金額は見積もりを取ります。

人の手当て

歯科衛生士の同行が要ります。院内の外来を薄くしない時間帯を選びます。

移動

病院の車を使います。近隣に限って組み、遠方は受けません。

集め方

連携の営業と同じ足で集めます。訪問先を回るとき、口腔ケアの話を必ず一つ置いてきます。

5中期 ― 二人体制にできるか

ここから先は、経営としての判断をいただく部分です。動かすには採用が要ります。

いまの詰まりは、突き詰めると「一人しかいない」ことに帰着します。 一人だから常勤の要件に届かず、入院が取れない。一人だから専門が片側に寄る。 一人だから、外に出れば院内が止まる。

逆に言えば、もう一人お迎えできれば、三つとも同時にほどけます。

変わることいま二人体制になると
常勤換算0.71.0 を超え、入院が算定できる
手術一人で行う範囲まで二人で入れる。受けられる範囲が広がる
外来の柱腫瘍・口腔ケアこれに一般歯科(インプラント等)が加わる
外に出る日出ると院内が止まる片方が出ても、院内が開いている
歯科診療所への営業送っていただけない入院でお預かりできる。営業が成立する

お迎えする形

いまの先生に残っていただいたうえで、一般歯科ができる医師を週3日程度。 第一線を退かれた世代の方が、この形には合います。

二人合わせて常勤1を超えれば、入院の要件を満たします。 毎日二人が揃っている必要はありません。週のどこかが重なればよい形にします。

数字の見通し

外来が増え、手術が増え、入院がお預かりできるようになったときの月商は、 まず300万円台。一般歯科が回りはじめれば 600〜700万円 の水準が見えます。 いまの250万円との差が、二人目を迎える原資です。

人件費の枠は、二人分の年俸で1,500万円以内に収まるかどうかを目安にしています。 この枠に収まる形が組めるなら、進める価値があります。

これは提案であって、決定ではありません。 採用は院長・副院長のご判断です。この1枚は、判断に必要な材料 ―― 何が詰まっていて、一人増えると何がほどけて、いくらの枠に収まれば見合うのか ―― を並べたものです。

6やらないと決めたこと

  1. 外向けの発信は、行いません決定

    歯科の魅力を外へ発信する案を検討しましたが、部門の意向を尊重して見送ります。 表に出る形をとらなくても、できることは十分にあります。 紹介元へ直接お伝えする、施設へ伺う、院内の患者さんに知っていただく ―― いずれも、外に向けた宣伝を必要としません。

    代わりにすること:連携先へ伺うときに、口腔ケアの話を必ず一つ置いてきます。 部門に負担をかけない形で、需要はこちらが集めます。
  2. 近隣の歯科診療所への営業は、まだ行いません順番の問題

    近くに歯科診療所は多くありますが、入院でお預かりできない以上、送っていただけません。 いま伺っても、次につながらないご挨拶で終わります。

    再開する条件:入院が算定できる体制になったとき。そのときは、当院の口腔外科は 近隣の歯科診療所にとって、いちばん近い後方支援になります。
  3. 器具を先に買うことは、しません順番の問題

    訪問の器具は、受け先が集まってから揃えます。 火曜午後が埋まる見込みが立つことが条件です。

    判断の時期:9月中に受け先をどれだけ集められるかで決めます。 集まらなければ、この道は選ばず、別の打ち手に切り替えます。

7次の一手

9月上旬先生と直接お話しします口腔外科の主な手術を院内で行えるか。訪問に出ていただけるか。この二つを確かめます
9月から返書を手渡しに歯科の紹介状の返書も、郵送をやめて訪問時にお届けします
9月中訪問口腔ケアの受け先を集めます施設・療養の病院へ。火曜午後の枠を埋めることを目標に
9月中レセプトの数字を月ごとに見えるように請求金額と窓口収入を、毎月の資料に載せます
受け先が集まり次第器具の見積もりを取ります金額が出た時点で、投資の可否をお諮りします
別途ご判断二人体制の可否採用に進むかどうか。進む場合、条件と時期をあらためてご相談します

この1枚について 2026年8月28日の院内での聞き取りと、当院の実績数値をもとに作成しています。 常勤換算や算定の要件については、院内で確認いただいた内容にもとづいています。 正式な届出にあたっては、あらためて厚生局への確認を行います。 個人に関わる事柄は記載していません。